搭乗者傷害保険

搭乗者傷害保険は自動車保険の中で提供される補償の一種であり、その内容をざっくり説明すると「相手の有無にかかわらず交通事故の発生時、保険金の範囲内で契約者を含む搭乗者の損害を補償する」といった内容になります。

要するに車を運転していてドライバーや同乗者が怪我をしたときには保険金の範囲内で補償しますよ、という自動車保険の基本的な補償です。

搭乗者傷害保険とは

さて、しかしながらこの搭乗者傷害保険の内容は人身傷害補償と呼ばれる補償と内容がかなり似通っています。

実際にカバーする部分が共通しているところが多いため、人身傷害補償を用意している自動車保険ではそもそもこの搭乗者傷害保険が無いと言ったこともあるでしょう。

ただチェックしておきたいのは、搭乗者傷害保険の場合は部位別・症状別に保険金が支払われることになるというところです。

保険会社によって異なりますが、あらかじめ決められている部位や症状に応じて、定額の金額が支払われます。

搭乗者傷害保険の保険金の一例(部位・症状別)
部位 打撲・捻挫など 骨折・脱臼 欠損・切断
眼、歯牙以外の顔面部 5万円 35万円 15万円
胸・腹・背・腰・臀部 5万円 30万円
手指以外の上肢 5万円 35万円 60万円
手指 5万円 20万円 25万円

※保険金額は一般的な保険会社の一例です。事故後5~180日以内に入通院時の金額です。

同一事故により複数部位に症状が現れた場合は、症状のなかでもっとも高い金額をもとにして支払われます。

また人身傷害保険の補償対象となる通院費や休業損害、葬祭費用などに関しては、こちらの保険では加味されません。

そのほか、事故当日から180日以内に後遺障害が生じた場合、後遺障害等級に応じ保険金額の4%~100%のお支払いなど、死亡および後遺障害における保険金は医療保険金とは別枠で支払われます。

そのため交通事故によって頭部を骨折したなどのように「一つの事故の中で二種類の保険金の支払条件を満たす」というケースがあり、この場合には搭乗者傷害保険と人身傷害補償の二つに加入しておくことで二種類の保険金を受け取ることができるようになるのです。

こうなってくると万が一事故が発生した場合、自分が受け取る保険金を増やすということでは搭乗者傷害保険の意味はあるとして考えられます。

とはいえやはり搭乗者傷害保険+人身傷害補償となると保険料も高くなってきますので最終的にはその保険料を支払えるかどうかというところでチェックしなくてはならないのですが、自動車保険としてはそれなりに重要性の高いものだと言えます。

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